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新型コロナウイルス感染におけるレムデシビルの効果

COVID19

緊急事態宣言が解除された後、わずか一週間で感染者は増えてきていますね。

依然予断を許さない状況です。

引き続き三密は避け、手指消毒、手洗い、マスク(飛沫拡散の防止)は徹底していく必要がありそうです。

治療薬は充分と言えるものが登場していませんが、唯一効果としてエビデンスが出つつある薬がレムデシビルです。

今回はNEJMに報告されたレムデシビルについてのRCTを紹介します。しかしPreliminaryの報告です。

論文は

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007764?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

です。

2020年2月21日から4月19日までで、USA、イギリス、ギリシャ、ドイツ、韓国、メキシコ、スペイン、日本、シンガポールであわせて1063人が治験に参加しました。

主要評価項目は回復までの期間であり、状態を下記の8つのカテゴリーに分け、カテゴリー4〜7の状態からカテゴリー3以下に改善するまでに期間を比較しています。

参加された患者さんの背景です。白人が多いです。これまでの報告で死亡率に地域差がみられていたことから、注意が必要です。

発症から参加までの期間は9日です。

また気になる点として、カテゴリー7、すなわち状態の極めて悪い患者さんがプラセボ群に多い印象ですが、割り付けに差はないとコメントされています。

結果は、主要評価項目:回復までの期間において、レムデシビル群は11日、プラセボ群は15日(Rate ratio 1.32 95%CI 1.12-1.55 p<0.001)であり統計学的有意差をもってレムデシビル群の方が短縮するという結果になりました。

参考として死亡率@14日目はレムデシビル群で7.1%、プラセボ群で11.9%でありHazard ratio0.70(95%CI 0.47-1.01)となっています。

人口呼吸器、ECMO使用状態まで状態が悪化している場合はほとんど効果は期待できない印象で、やはり早期診断が重要であり、状態悪化傾向を早めに検出し治療を行う必要がありそうです。点滴の投与なので入院が必要であり、この点からもオーバーシュートを回避し医療資源を適切に使用することが非常に重要ですね。

治療薬の選択肢が出来ることで今後の検査の考え方も、経過観察の仕方も変わっていきそうです。

今回の報告ではレムデシビルはCOVID-19の感染に対し効果があると言って良さそうですが、今後の報告と別のRCTでの検証結果を確認したいところです。

事前に報告されたLANCETのレムデシビルのRCTの報告では、武漢の封鎖のため途中でリクルートが不能になってしまっているものの、治療効果が得られていない結果でした。人種差や投与開始時期も今後注意して行く必要がありそうです。

Wang Y, Zhang D, Du G, et al. Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial. Lancet. 2020 May 16;395(10236):1569-1578. doi: 10.1016/S0140-6736(20)31022-9. Epub 2020 Apr 29. (Original study)

参考

https://www.pmda.go.jp/drugs/2020/P20200518001/230867000_30200AMX00454000_A100_1.pdf